ミーティングの席上、こちらからの質問に「没有問題」(mei you wen ti)との答え。何を聞いても、またはどんな要求をしても「問題ありません」と答えてくれる。先方は迷った様子もなく間髪おかず即答だ。
ちょっと不安になって「本当にだいじょうぶですか?」と念押しの質問をしてもやはり「問題ありません」という答え。
ASIA-NETでのセミナーの後、セミナーで紹介したサンプルを差し出してくれるように台湾企業の担当者にお願いした。
「9月中に入手できるように送ってください」
「没有問題」と總經理。ほぼ即答。
「10月6日に自分が講師になるセミナーがあります。ここで紹介したいので9月末必着で送ってください。」と念を押す・
「没問題。任せておきなさ」と即答。ここで任せきりにしたのが大きな間違いだった。
通常なら、現状在庫の確認。シッピングの確認。到着予定日の確認など、9月末に確実に届くかどうか、いくつかのチェックポイントを設けて確認をするところだが、今回は先方に任せてしまった。
案の定、9月末になっても届かない。慌てて確認の連絡を入れると、基幹部品となる半導体の入庫が遅れていて、製造工場で作業に入ることができず、製品の出荷が大幅に遅れているという。
予想ができなかった事態で、サンプルが届けられなかったという、。「申し訳ない。仕方ない・・・」とのコメントだった。
仮に、基幹部品の入庫が遅れていたとしても、昨日、今日の事ではない。「サンプル出荷が予定通りできないことを事前に連絡が欲しかった」と思うのだが、連絡や報告がないのも台湾企業特徴だ。事前に相談もない。ホウ・レン・ソウを期待してはいけないのだ。
「‘問題ない’は問題ありと心得るべき」、セミナーでは講師としてよく取り上げるテーマだ。わかっているはずの自分自身が躓いてしまっていてはセミナー講師失格だ。
「没有問題」には、本当に問題がないかどうか日本でチェックポイントを設定。そしてチェックを怠らないこと。ホウ・レン・ソウは日本側から積極的に働きかけること。現場からの教訓。
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■信じてはいけない/疑ってもいけない
チェックポイントを設けて日本側からまめなチェックを
期待通りの結果を得るにはまめに動く
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221010
ASIA-NET 吉村