■Computexの変化とInnoVEXの急成長をこう読み解く
Computexが大きく変化している。これまで台湾大手ベンダーは高性能のパソコンをリーズナブルな価格で大量に生産し、世界中に供給してきた。1990年代後半以降、拡大させてきたビジネスモデルである。生産拠点を中国に移してからも「世界のパソコン工場」としての地位は揺るぎないものだった。
しかし、情報端末としてのパソコンニーズの変化、追従する新興ベンダーとの競争、市場ニーズの多様化など厳しいビジネス環境の変化が続いている。IoTがこうした動きに拍車をかけた。さまざまな分野で必要とされる端末やソリューションが多様化し、台湾大手ベンダーはソリューション分野へ大きく舵を切って製品開発を行うようになってきている。
繰り返しになるが、高性能のパソコンをリーズナブルな価格で大量に生産し、世界中に供給するビジネスモデルは過去のものになりつつあり、ソリューションが主役である。筆者はこれを台湾大手ベンダーの「多角的全方位戦略」と名付けた。IoT、AIが時代のキーワードとなり、これまでの経験を活かしながら新しい分野への挑戦を迫られている。ユーザーのニーズをいち早く捕らえて、スピーディな製品開発が求められるようになった。どんな分野がトレンドになるか、予測が難しい状況にある。
しかし、見通しがつかない状況であるからこそ台湾ベンダーはむしろ「強み」を発揮する。Try & Errorで次々に新しいことに挑戦し、フレキシブルに戦略を変えていく。スピーディな意思決定、フレキシブルな対応、チャレンジスピリッツは台湾ベンダーの「強み」である。日本企業ではなかなか真似ができない動きだ。Computex2020 & InnoVEX2020開催概要はこちらから(http://www.tcatokyo.com/Computex2020-1.pdf)
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http://www.tcatokyo.com/taipei2020.pdf
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<写真9>「多角的全方位戦略」の動きのひとつGigabyteのSmart agri(植物工場)