■2018年秋からTST(Taiwan Startup Terrace)、TTA(Taiwan Tech Arena)が本格稼働
従来、スタートアップベンチャーというと大学や地域自治体が運営をするインキュベーターが主たる役割を担ってきた。これまで台湾政府も人材育成や産業振興のために積極的にスタートアップ支援を行ってきた。しかし、箱モノ重視と揶揄された時代もあり、結果的に効果的なスタートアップ支援に予算が使われてきたかというと疑問の声もある。
しかし、こうした動きに変化の兆しが見え始めたのは2015年である。これは台湾だけでなく中国をはじめアジア全体の動きにも合致している。同時にそれはIoTがビジネスのスタイルを変え始めた時期に一致する。台湾政府も従来のようなスタートアップ支援から方向転換を行っている。
2018年秋にはTST(Taiwan Startup Terrace)、TTA(Taiwan Tech Arena)という政府系のスタートアップ支援機関が本格的な活動を始め、台湾におけるスタートアップ・エコシステム(新創生態系)が軌道に乗りつつある。TSTとは台湾の経済部(日本の経済産業省にあたる機関)を中心としたスタートアップ支援のインキュベーターで林口に拠点を設け、運営は経済部中小企業処が主導的な役割を果たしている。
一方、TTAとは台湾の科技部(日本の科学技術庁にあたる機関)を中心としたスタートアップ支援のインキュベーターで台北市内の台北アリーナに拠点を設け、国内外のVCが入居するスタートアップ支援の最前線である。(それぞれの特徴と役割については改めてこの誌面でもレポートを予定しているのでご期待いただきたい)
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<写真12>InnoVEX2019では最も広い面積で存在感をしめしていたTST(Taiwan Startup Terrace)
<写真13>TTA(Taiwan Tech Arena)もパビリオンを設置、国内外のVCが入居するスタートアップ支援機関