InnoVEX Report(3) アメリカのBioinpiraがグランプリを獲得

8日午後、センターステージで行われたピッチファイナルにはセミファイナルを勝ち残った8つのチームが参加した。ピッチファイナルでは熱いプレゼンバトルが繰り広げられ、その結果、アメリカのBioinpiraがグランプリを獲得した。Bioinpiraには主催者から優勝奨金は3万米ドルが贈られ、100を超えるエントリーチームの頂点に立った。

この製品はバイオテクノロジーの技術を応用して開発されたセンサーで、微生物を使って空気中の成分分析を行う。さまざまな分野での活用が期待される製品である。微生物が特定の物質に反応することを応用して、空気中にあるさまざまな物質を検出する。応用範囲が広く、かつ精度の高い検出と分析ができることが「強み」である。微生物から作り出された物質をモジュール化したというところが画期的。QAではビジネスモデルの構築で鋭い質問を浴びせた審査員も結果発表後の講評では絶賛だった。2019年4月、5月には東京で事前勉強会/直前見どころセミナーを開催予定。さらに会期初日と2日目の夜には注目製品を現地で紹介する「現場見どころセミナー」を開催予定。こちらも詳しくはTCA東京事務所まで。

ビジネスモデルをプレゼンするイベントは日本国内にもある。日本でもピッチは珍しいイベントではなくなった。しかし、アイデアのプレゼンだけであったり、仲間集めのためのイベントであったりするケースが多いようだ。緊張感に欠けるプレゼンも少なくない。

プレゼンをする側に何が何でも自社のビジネスモデルを売り込みたいという緊張感と熱意がどれほどあるかどうか、また審査をする側も具体的なビジネスを前提とした厳しい眼がどれほど向けられるか、日本のピッチイベントは海外と比較して熱量の差を感じる。日本の場合、審査をする側も一般的なアドバイスの領域を超えないコメントであったり、同時にプレゼンをする側のほうも内容の詰めの甘さを感じるプレゼンが少なくない。(多少言い過ぎかもしれないが・・・)

一方、台湾のピッチコンテストはプレゼンをする側も、聞く側も真剣そのものだ。審査員は鋭い質問や課題を遠慮なく指摘し、一瞬の戸惑いを見せながらも反論する登壇者や一歩踏み込んだ主張で切り返す登壇者など真剣勝負が続く。会場から起こる歓声やため息、プレゼンに頷く人、感じた疑問を表情に出す人、身を乗り出して聞き入る人、メモを取りながら聞く人、そして会場を包み込む大きな拍手…。6月8日(金)午後に行われたピッチのファイナルはなかなか見応えがある3時間だった。ピッチコンテストの結果は以下の通り。(写真の後ろにて)

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<写真9>グランプリを獲得したのはアメリカのBioinpira、審査委員長から奨金3万米ドルが贈られた

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<写真10>微生物を使って空気中の成分分析を行うセンサー、バイオテクノロジーの技術を応用して開発(写真はBioinpiraホームページより)

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<写真11>Nogle Limitted & minced Capital Group Awardを受賞したKloudless

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<写真12>ピッチイベント最後は審査員も加わって記念撮影

◇InnoVEX2018 Pitch Contest Winner
≫Grand prix
Bioinpira(アメリカ) IoT分野
http://www.bioinspira.com

≫Delta Electronics Inc. Special Award
OneWatt Solutions(フィリピン) IoT分野
http://www.onewatt.eu

≫Nogle Limitted & minced Capital Group Special Award
Kloudless(アメリカ) Enterprise Software分野
https://kloudless.com

≫Startup Terrace Award(5社)
One Watt Solutions(フィリピン) IoT分野
http://www.onewatt.eu
Kloudless(アメリカ) Enterprise Software分野
https://kloudless.com
ORII/九疊有限公司(台湾) Wearable Technology分野
http://www.orii.io
Tempo(フランス)Mobile分野
https://tempow.com/
A-Volute(フランス)AUDIO分野
http://www.a-volute.com/

※One Watt SolutionsとCloudlessは複数の受賞

 

■Computex2019 & InnoVEX2019開催概要
主 催:台北市コンピュータ協会(TCA)、台湾対外貿易発展協会(Taitra)
会 期:Computex2019 5月28日(火曜日)~6月1日(土曜日)会期5日間
InnoVEX2019 5月29日(水曜日)~5月31日(金曜日) 会期3日間
時 間:午前9時半~午後6時まで(ただし、最終日は午後4時まで)
会 場:Computex2019南港ホール/新南港ホール/南港地区(2会場)
InnoVEX2019 台北世界貿易センター第1ホール/信義区
出展規模:Computex 1,602社、5,015小間(2018年実績)
InnoVEXベンチャー企業388団体(2018年実績)ピッチエントリー100社
セミファイナリスト28社、ファイナリスト8社、優勝賞金30,000米ドル
≫海外からのバイヤー登録者168か国と地域から42,284人(2018年実績)
出展企業はAsus Acer MIS Microsoftなど大手ベンダーからベンチャー
スタートアップ企業まで1,600社、日本からの出展企業にも注目
■Computex2019&InnoVEX2019開催概要
http://www.tcatokyo.com/COMPUTEX2019-1.pdf
■InnoVEX2019開催概要
http://www.tcatokyo.com/InnoVEX2019-1.pdf
■InnoVEX2019出展に関して
http://www.tcatokyo.com/InnoVEX2019-2.pdf

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