InnoVEX Report(4) InnoVEX出展エリアに目を向けると

Computex & InnoVEXは信義区の世界貿易センターエリアと南港地区の南港ホールでの開催。全体の展示面積は幕張メッセのほぼ1.5倍になる。その中でInnoVEXは信義区の世界貿易センター第3ホールでの開催。面積はおよそ6,700㎡で幕張メッセのホールひとつ分の大きさとほぼ同じ。第3ホールはComputex第1ホールの東側、歩いて1~2分の距離にあり、Computexの中で第3ホールはInnoVEX専用ホールとして使われる。

第3ホールの中央で最も存在感を示していたのは、IDB‐IISC主題館とCBIA/Taiwan Startup Springboard(創新育成主題館)のふたつのテーマパビリオン。IDB‐IISC主題館は経済部/工業局(IDB/IISC)からの委託を受けて財団法人工業技術研究院(ITRI)が運営する。農業、物流、医療、教育など様々な分野のスタートアップ企業が集められていた。もうひとつのCBIA/Taiwan Startup Springboard(創新育成主題館)は財団法人中華民国創業育成協会(Chinese Business Incubation Association,略称はCBIA)が主催。大学を中心としたインキュベーション機関が多数出展し、注目を集めていた。

筆者が特に注目したのはAlibaba Taiwan Entrepreneurs Fund(阿里巴巴台灣創業者基金)のパビリオン。これは中国のアリババが出資する国内外のスタートアップ企業をとりまとめて、アリババ台湾が主催するパビリオンだ。アリババというブランドもあってか会場では終日たくさんの来場者で賑わっていた。

また、その横で存在感を示していたのはオランダパビリオン(Dutch Pavilion)で派手な色使いの装飾が会場の中でもひときわ目立った。オランダ以外にもフランス、アメリカ、カナダ、韓国、ブラジル、フィリピンなど、世界のさまざまな国と地域から出展があり、InnoVEXが世界中のスタートアップからも注目を集めているイベントであることがよくわかる。

筆者がもうひとつ興味を持ったのがXR EXPTESS TW主題館である。このテーマパビリオンにはARやVRなどバーチャルリアリティ関連の製品を取り扱う企業が出展。ゴーグルを使ったVRの体験コーナーや最新のAR技術を使ったソリューションなど集められていた。パビリオンを主催しているのはTaiwan Association for Virtual and Augmented Reality/略称TAVAR(台灣虛擬及擴增實境産業協會)という組織。これはAR/VR関連製品を取り扱う企業によって設立された業界団体で、AR/VR技術の普及と国内外における市場開拓を目指す。これまでは個別に出展していたAR/VR製品を取り扱っている企業だが、今年はTAVARが主催するテーマパビリオンにまとまって出展。今年のComputex から始まった新たな動きであり、第3ホールInnoVEXの中でもたくさんの人が集まっていた。台湾からの製品調達やパートナー探し、企業訪問や工場見学のアレンジ、通訳のアレンジなどビジネスに関する相談も随時受け付けている。詳しくはTCA東京事務所までお問い合わせください。

InnoVEXにはこの他にも、科技部によるTaiwan Tech Arena(科技部青年科技創新創業基地)、台北市政府が運営するGlobal Startup Talents@Taipei(台北國際新創館)、さらにTYC/桃園市青創館、Startup Exposition@Start-up Terrace(林口新創園新創交易中心)など、さまざまな組織や企業グループが傘下の企業を伴いパビリオンの形で出展している。世界的にもスタートアップ企業の動向に注目が集まっているが、国や地方政府がスタートアップ支援に力を入れている動きは台湾でも例外ではない。

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<写真13> IDB‐IISC主題館を視察する北海道のグループ。経済部/工業局(IDB/IISC)からの委託を受けて財団法人工業技術研究院(ITRI)が運営

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<写真14>CBIA/Taiwan Startup Springboard(創新育成主題館)は財団法人中華民国創業育成協会(CBIA)が運営。海外メディアの取材を受ける大学スタートアップ・ベンチャー

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<写真15>科技部のTaiwan Tech Arena(科技部青年科技創新創業基地)、InnoVEXはスタートアップと海外とを繋ぐ重要な場

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<写真16>アリババ台湾が運営するパビリオン

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<写真17>アリババが出資する企業がブースに並ぶ

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<写真18>オランダパビリオンに出展する企業、InnoVEXには欧米からの出展企業も多い

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<写真19>TAVAR(台灣虛擬及擴增實境産業協會)によるXR EXPTESSパビリオン

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<写真20>VR/AR関連の製品を取り扱う企業を取りまとめての出展、写真はブースでのデモ

 

■Computex2019 & InnoVEX2019開催概要
主 催:台北市コンピュータ協会(TCA)、台湾対外貿易発展協会(Taitra)
会 期:Computex2019 5月28日(火曜日)~6月1日(土曜日)会期5日間
InnoVEX2019 5月29日(水曜日)~5月31日(金曜日) 会期3日間
時 間:午前9時半~午後6時まで(ただし、最終日は午後4時まで)
会 場:Computex2019南港ホール/新南港ホール/南港地区(2会場)
InnoVEX2019 台北世界貿易センター第1ホール/信義区
出展規模:Computex 1,602社、5,015小間(2018年実績)
InnoVEXベンチャー企業388団体(2018年実績)ピッチエントリー100社
セミファイナリスト28社、ファイナリスト8社、優勝賞金30,000米ドル
≫海外からのバイヤー登録者168か国と地域から42,284人(2018年実績)
出展企業はAsus Acer MIS Microsoftなど大手ベンダーからベンチャー
スタートアップ企業まで1,600社、日本からの出展企業にも注目
■Computex2019&InnoVEX2019開催概要
http://www.tcatokyo.com/COMPUTEX2019-1.pdf
■InnoVEX2019開催概要
http://www.tcatokyo.com/InnoVEX2019-1.pdf
■InnoVEX2019出展に関して
http://www.tcatokyo.com/InnoVEX2019-2.pdf

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