InnoVEXは世界の他の地域で開催されるスタートアップイベントとどんな点が違うのか、なぜInnoVEXが注目を集めているのか、その背景にはIoT時代に対応すべく台湾大手ベンダーが進めている戦略の変更がある。
台湾はパソコンやタブレット、スマホなどのIT端末、それに付随する周辺機器やアクセサリーを生産し、欧米をはじめ世界を相手にビジネスをしてきた。製品を大量に安く生産し、世界中に売りさばくことが台湾ベンダーの「強み」である。しかし、今こうしたビジネスモデルが崩れようとしている。IoTの出現によってさまざまな分野の多様なニーズに、スピーディに、かつフレキシブルに応えていくことが求められる時代になってきた。開発に時間をかけ、コストダウンを目指し、安さを競い合い、量産によって世界市場を狙う従来のビジネスモデルでは通用しなくなったわけである。
時代がIoTとなり、IT端末が多様化する中で、台湾の大手ベンダーはこれまでにない戦略の変更を求められている。交流7月号vol.928でもレポートしたように、ASUS(華碩)のサービスロボット、Benq(明基)の無人コンビニシステム、同じくBenq(明基)のスマートファクトリー、MSI(微星)はテレマティクス、MiTAC(神通)は図書館システムなど、これまで台湾の成長に担ってきた大手パソコンベンダーはIoTを前面に出したBobソリューションに向かっている。そして、こうした動きがますます顕著になってきている。さらに今年はAcer(宏碁)ブースからパソコンの展示が消えたという点も筆者としてはたいへんショッキングなニュースだった。(詳しくは日台交流協会の機関誌「交流」8月号vol.929を参照)
<写真21>南港ホール4FではBenq(明基)がロボットアームを展示
<写真22>MSI(微星)は南港ホール1Fにテレマティクス関連製品を出展
■Computex2019 & InnoVEX2019開催概要
主 催:台北市コンピュータ協会(TCA)、台湾対外貿易発展協会(Taitra)
会 期:Computex2019 5月28日(火曜日)~6月1日(土曜日)会期5日間
InnoVEX2019 5月29日(水曜日)~5月31日(金曜日) 会期3日間
時 間:午前9時半~午後6時まで(ただし、最終日は午後4時まで)
会 場:Computex2019南港ホール/新南港ホール/南港地区(2会場)
InnoVEX2019 台北世界貿易センター第1ホール/信義区
出展規模:Computex 1,602社、5,015小間(2018年実績)
InnoVEXベンチャー企業388団体(2018年実績)ピッチエントリー100社
セミファイナリスト28社、ファイナリスト8社、優勝賞金30,000米ドル
≫海外からのバイヤー登録者168か国と地域から42,284人(2018年実績)
出展企業はAsus Acer MIS Microsoftなど大手ベンダーからベンチャー
スタートアップ企業まで1,600社、日本からの出展企業にも注目
■Computex2019&InnoVEX2019開催概要
http://www.tcatokyo.com/COMPUTEX2019-1.pdf
■InnoVEX2019開催概要
http://www.tcatokyo.com/InnoVEX2019-1.pdf
■InnoVEX2019出展に関して
http://www.tcatokyo.com/InnoVEX2019-2.pdf